2022年10月13日
RPA (Robotics Process Automation)とは、人がコンピュータ上で行っている定型の作業を、システム(通称ロボット)で自動化すること。業種や業務に関わらず、様々なパターンのロボットを作成することができ、作業時間の短縮、ヒューマンエラー削減などの生産性向上が期待できる。RPAの主な特長として以下の3つがあげられる。
01
簡単に作成・修正可能
一からのシステム構築が不要で、ユーザー自身が簡単にロボットを作成、修正できる。例えば伝票入力の場合「新しい伝票に変更」「項目の追加」など、変更が必要なケースが発生しても、ューザーがすぐに修正可能。柔軟かっ迅速に対応できる。
02
業務対応の幅広さ
導入前社内外のシステムに横断的に接続し、操作・連携・入力作業が可能。例えばプラウザとExcelを連携させ、営業支援システムに入力されたデータを取得、その後Excelに最新テータを入力させるといった作業も自動で実行できる。
03
24時間365日稼働
人間とは異なり、毎日決まった時間にデータを取得したり、社員退社後の夜遅い時間でも正確に決められた作業を実行することができる。
以上のようにRPAはルール化された定型業務やパソコン上で完了する業務などが得意。社員はこれまで手入力で時間がかかっていた作業を素早く、正確に代行してもらい、短縮してできた時間を企画などのクリエイデイプな作業に充てられる。
定型業務の効率化のほか、コスト削減、売上向上に繋けられるRPA。まずは現在の業務プロセスの見直し、業務量の洗い出しをしつつ、TENEZに相談を。
TENEZのRPAソリューションを導入した、ベビー用品全般を扱う日本のメーカー「ピジョン株式会社」の中国現地法人「贝亲管理(上海)有限公司」の矢野亮董事長(写真右)と当社製品製造などを請け負う「贝亲母婴用品(上海)有限公司」の周劍峰総経理にRPA導入の理由や今後の展望を伺った。
青浦工場に導入したRPA
世界各国に展開するピジョングループでも有数の売り上げと利益を生み出す上海の青浦工場。商品製造だけでなく、プロダクトの開発部門も抱え、グループ内でも重要な工場の一つとなっている。
青浦工場ではオフィス業務や全工程業務において、単純で反復的な多くのタスクに長時間かけているのにも関わらず、ミスやトラブル発生率が高かったため、21年にRPA導入に踏み切った。同工場の周総経理が実感したメリットは「ルーティンワークへの人員削減」「コスト削減」「販売時におけるエラーの削減」の3つ。「導入から数カ月後、弊社の購買部門に所属するバイヤー3人の仕事量を1人1日あたり約3時間も節約できるようになった。うち1人は1日最大8時間も節約できる時もあり、サプライヤー間の価格比較、市場調査や商談などさらに重要な仕事に時間を割くことができている」。また購買や財務担当者によるヒューマンエラーが多発していたが、新システム導入後のエラー率は「ほぼゼロ」だという。
RPA導入時におけるパートナー選定の決め手は「技術、プロジェクトの経験の両面に長けていること」「日本の経営管理のバックグラウンドがあること」と周総経理。RPAシステムの実装後、業務への最適化や改善作業が必要な場合もスムーズに設定の移行が可能なため同社の管理システムにマッチしているとか。費用対効果が高く、コスト面でも満足度の高さがうかがえた。
自動化でコスト削減
工場の課題は年々高騰する「社員の給料」と「材料費」。「この2つの費用の割合が大きくなり、利益が取りにくくなってきた」と矢野董事長。これらを抑えるためにRPA以外にも工場の自動化を推進した。今まで人間が何十人も関わっていた哺乳瓶の組立を機械に任せて生産効率がアップ。工場内のあらゆる工程を数値化してさらなる効率化・コストダウンを目指し、ブラッシュアップを続けている。その結果、同工場はピジョングループの中でもファクトリーオートメーションおよびスマートファクトリー化が一番進んだ工場となった。