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これからのビジネスに必須 コミュニティ運営を成功させる方法(後篇)

2019年10月16日


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ビッグバンを起こすというのも気になります。

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宇宙が誕生したように、コミュニティの着火を意味し、僕らは“ビッグバン理論”と呼んでいます。これは運営しか投げられない球=ファンがわくわくする企画・プロジェクトは何か? ということをしっかりと考えた上で、コミュニティに投げかけるということです。

例えば、佐々木俊尚氏や松浦弥太郎氏、箱庭さん、灯台もとくらしさんが運営するSUSONOで、空き家ツアーというのを開催したんですよ。空き家問題で頭を悩ましている三浦半島のとある町を訪れて、関係者に話を聞いたりワークショップをしたりという企画だったんですが、参加者の一人がそこの空き家を気に入って実際に購入したんです。さらにその方がリフォームのワークショップを行ったり、お披露目パーティを催したりと発展していって。

運営側が空き家ツアーという球を投げたことで、そこからは自走する形でプロジェクトが大きくなったという、まさにビッグバン理論を体現する事例です。



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コミュニティ派生で家まで購入するってすごいことですよね。

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そうですね、人生を変えるきっかになるようなこともたくさん起こっています。それこそコミュニティで知り合い仲良くなった結果、コミュニティベイビーも誕生しています。コミュニティって価値観が近い人の集まりなので、発展していくのは当然といえば当然なのですが。


このようなユニークな発展の裏には、n対n=メンバー同士のコミュニケーションが鍵を握っています。運営側から投げかけるだけではない場づくり、空気感をデザインしていく必要があります。


あるコミュニティでメンバーが世界のLGBTシーンを取材して発信したいというクラウドファンディングを立ち上げたんですが、その際、コミュニティメンバーが率先して支援したり(メンバーによる支援率16%)情報拡散してくれたので、目標額を達成し、最終的には150万円くらい集まったんです。


n対nのコミュニケーションによりメンバー同士の絆が築かれていたので、応援の熱量が高く、比較的スムーズにプロジェクトを成功に導くことができました。



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「運営が気づかない魅力でエンゲージを高める」というのはどういうことでしょうか。

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『ベストカー』という車雑誌のコミュニティがあるんですよ。その編集部では、メーカーが協賛しているレースに、編集部の方々が毎年出場していたんですが、どちらかというと仕事としてというニュアンスが強かったそうです。ところが、コミュニティメンバーに興味ありますか? と投げかけたところ、みんな目の色が変わって「出たい!出たい!」と希望者が殺到しました。

もちろんレースに出るにはA級ライセンスが必要で、レーシングスーツなど装備も揃えなければいけなかったのですが、「そんなの何とかします!」と、みんなでライセンスを取りに行ったり、レーシングスーツなどの装備を比較検討したりと、次々にアクションが生まれていったそうです。運営側が気づかなかった思いもよらぬ価値によって、コミュニティが熱狂したという例ですね。



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最後に挙げていただいた「コミュニティ1対本業100の法則を意識する」について教えてください。

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コミュニティをビジネスとして捉えることはサブスクリプション型のモデルとして注目されていますが、小売りと違って売り上げがドンと立つわけではなく、ジワジワ時間を掛けて緩やかに伸びていきます。最初のうちに人数を絞ってコミュニティの熱量を最大化するのであれば、なおさら時間が必要です。となると短期間で成果が出ないのですぐにやめてしまおうという発想になりがち。

熱量が高いコアなファンを育てることで、共創コミュニティが育ち、本丸のビジネスを伸ばせるという補完関係を意識していないと、なかなかドライブさせていくのが難しいんです。イメージとしてはコミュニティが1に対して、本業が100くらいの捉え方が良いかと。


僕らは1対100の法則と呼んでいるんですが、コミュニティ単体の規模や月額会費の売り上げだけで判断するのではなく、コミュニティ1によって生み出される、本業の100への影響力を見てほしいんです。コミット度の高い人たちの熱量を上げていくことで、本業の数字は必ず伸びますし、数字は作れます。


コミュニティを、短期的なビジネス視点で捉えると失敗しますが、長期的な視点で捉えていけば必ず大きなアセットになると腹を括って取り組むことが重要だと思います。



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今後、新しく考えている施策などはありますか?

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直近で実現させたいことは、コミュニティ経済圏を作るということです。コミュニティ内でメンバーがアクションをした時にポイントが貯まるという機能は既に実装済みですが、そのポイントを交換することで仕事や物をシェアしたり、メンバー同士の価値の交換ができる文化を作れないかと。単純にお金儲けをするだけじゃない経済圏ですね。

例えば、コミュニティの中にヨガインストラクターさんがいてその人に習いたいと思ったら、溜まったポイントで「ヨガ教えてもらえませんか?」と依頼する、ポイントを受け取ったヨガインストラクターさんはそのポイントで、旅コンシェルジュをしているメンバーにプランニングを依頼するといったように、ポイントの交換でスキルや物品が流通していく。

これがもっと循環したらエキサイティングなのではないかと。これはコミュニティ内で既に信頼関係があり、安心・安全が担保されているからこそ成り立つことなので、コミュニティだからこそ実現できる新しい社会的な価値になると考えています。


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これから、社会におけるコミュニティの役割はどうなっていくのでしょうか?

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SNSが社会のインフラの役割を担うようになり、広く浅く人とつながるようになりましたが、オープンが故に自分をさらけ出すことがどんどん難しくなっています。一方で人々は以前より情報を入手しやすく、行動も起こしやすい世の中になったことで、自分の価値観をより強く持つようになりました。でもそれを安心して表現する場がなくなってきているので、価値観を共有できるクローズドな空間を求めはじめています。

変な言い方ですが、普段の生活の中では自分が“変人”だということを隠して生きなければならない(笑)。でも狭く深いコミュニティの中ではみんなが変人なので、自分をさらけ出すことができる。同じような趣味趣向の仲間がいっぱいいて本来の自分の居場所がある、それって幸せなことじゃないですか。

実際に上質なコミュニティによって感じる幸福感はフィットネスの3倍の効果とも言われていますし、ハーバード大学の研究でも、人間の「幸せ」の一番の要因は質の高いコミュニティに属していたかどうかである、という結果が出ているんですよ。

お金や名声ではなく、『良いコミュニティに属していたか』が重要だと。自分たちが心の底から心地よいと思える居場所がどんどん作られていけば、日本人の幸福度は上がると思います。


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TENEZテネス

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